＜愛知県＞税収１０００億円減…１０年度見積もり（毎日新聞）

　愛知県が、１０年度の税収を０９年度当初より約１０００億円少ない８０００億円台後半と見積もっていることが２日、分かった。０７年度に国から移譲された税源分を除くと、８７年度と同水準になる。県は税源不足に対処するため、０９年度に続き２年連続の職員給与削減の検討に入った。

　愛知県の税収は、急速な世界経済の減速で製造業が直撃され、大幅に減少。０９年度（当初ベース）は前年度より約４０００億円少ない９６８０億円と、５年ぶりに１兆円を割り込む事態となり、地方交付税の不交付団体から交付団体に転じた。

　その後、一部に回復の動きはあるが、県は全体としては厳しさを増していると判断、１０年度の税収を８６００億円程度と見積もった。これは０７年度の税源移譲で増えた部分（今年度は１４４０億円）を差し引くと、２３年前の７５３０億円と同程度の水準となる。

　好景気が続いていた０８年２月、県は「財政の中期試算」を行っているが、当時見込んだ１０年度の税収は１兆３５５０億円。これと比べると、一気に５０００億円（４割弱）の減収となる。一方、１０年度の歳出は社会保障費の自然増もあり、０９年度当初の２兆１８０２億円から２兆２４００億円台にまで膨れ上がると見込んでいる。

　このため総務省との協議で、愛知県は１０年度も交付団体となることが内定。県債発行額も過去最高だった０３年度の３８７０億円を超す可能性が強まっている。【月足寛樹】

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